はりの効果

鍼治療とは?一定の方式に従い、身体表面の経絡・経穴に、鍼を接触、または刺入し、生体に一定の機械的刺激を与え、それによって起こる効果的な生体反応を利用し、病気の予防・治療に広く応用する施術です。簡単にまとめると鍼を皮膚に当ててこすったり、刺したりすることによって、体に刺激をあたえ、それによって起こる体の変化を利用して、病気の予防や治療を行う療法です。原始人が、狩りの途中での山を駆け回っている際、石や植物のトゲで体表を傷つけたり、出血することで、本来あった痛みが偶然楽になるといった現象が度々起こりました。同じような現象を経験することで、この現象に人々が関心を持ち、そこで石などを使って体表を刺激し、痛みを軽減させることを覚えていったのです。それがやがて石器時代になると、砭石(へんせき)と呼ばれる鍼の元となるものが作られました。主に膿などを破って出すのに使われたそうです。これが後に動物の骨を用いて作られた骨針、竹でできた竹針、陶器の破片でできた陶針などになっていったと言われています。現在使われる金属の鍼は戦国時代頃に作られ始めたと言われ、黄河文明で発展した経絡の概念や臓腑論、陰陽五行論などと結びついて鍼治療が確立していきました。黄帝内経と呼ばれる中国最古の医学書の中に、当時使われていた鍼を特徴で9つに分類した古代九鍼が紹介されています。日本において鍼の概念は、遣隋使や遣唐使などによってもたらされました。奈良時代には鍼師が医師、按摩師などと共に存在していました。以降、鍼師は医師などと共に日本の医療の中核を担っていったそうです。安土桃山時代には御薗意斎が鍼を木槌で叩いて打ち込む打鍼法や、江戸時代には杉山和一によって作られた管鍼法など独自の発展をしていきます。世界においては1950年代ごろからフランスや東欧諸国などが中国へ鍼灸の勉強をするための留学生が訪れたりしていたそうです。アメリカ合衆国では1971年、ニクソン大統領訪中の際に同行したニューヨーク・タイムズの記者が虫垂炎にかかり、手術後の違和感や疼痛の改善のために鍼灸を受けたことが知られています。簡単にまとめると古代人の経験の積み重ねによって発展した経験療法です。日本には600年頃に伝わり、独自の発展をしてきました。世界中に鍼が知られるようになったのは、1971年ニクソン大統領訪中がきっかけです。鍼とは?↑でも述べました古代九鍼は、・切開する鍼鑱鍼(ざんしん)、鈹鍼(ひしん)、鋒鍼(ほうしん)・刺入する鍼毫鍼(ごうしん)、長鍼(ちょうしん)、員利(円利)鍼(いんりしん、えんりしん)、大鍼(だいしん)・刺入しない鍼鍉鍼(ていしん)、円(員)鍼(いんしん、えんしん)  の9つです。今でも使われている物もあれば、使い方を変えて使用されているもの、今現在は使われていないものもあります。一般に鍼というと刺入するための毫鍼(ごうしん)を言います。
鑱鍼古代では皮膚を切るために使われていた鍼ですが、今では撫でさする鍼として使われています。
鈹鍼鍼尖が剣のようになっていて膿を排除するために使われていました。現在は鍼灸師が膿を切開することはできませんので、使用されていません。鋒鍼(三稜鍼)手足末端の経穴や局所の刺絡・瀉血に今でも一部で使われています。また、撫でさすって使う鍼として、大師流小児はりで使われています。その場合は刺しません。
鍉鍼経穴を押して刺激するのに使います。
円(圓)鍼刺さずに皮膚を撫でさするように使います。肌肉を損傷することなく滞っている血気を流通させる効果があります。
円皮鍼鍼をテープで留めて、経穴を刺激し続けるために使います。
ローラー鍼皮膚の上をコロコロと転がして使います。
粒鍼奇経八脈を使った治療法や耳つぼ療法などでよく用いられます。金粒、銀粒を特定の経穴に張り付けて、気血の流れを調整します。灸頭鍼鍼にもぐさを付けて燃焼させます。鍼と放射熱で体の芯まで熱が伝わります。鍼の効果は?WHO(世界保健機関)は1979年に鍼の対象となる疾患を次のように挙げています。Ⅰ.上気道疾患①急性副鼻腔炎 ②急性鼻炎 ③感冒 ④急性扁桃炎Ⅱ.呼吸器疾患①急性気管支炎 ②気管支喘息(小児が最も有効、合併症がないもの)Ⅲ.眼疾患①急性結膜炎 ②中心性網膜炎 ③近視(小児) ④白内障(合併症のないもの)Ⅳ.口腔疾患①歯痛 ②抜歯後疼痛 ③歯肉炎 ④急性・慢性咽頭炎Ⅴ.胃腸疾患①食道、噴門痙攣 ②しゃっくり ③胃下垂 ④急性・慢性胃炎 ⑤胃酸過多症 ⑥慢性十二指腸潰瘍(徐痛) ⑦急性十二指腸潰瘍(合併症のないもの)⑧急性・慢性腸炎 ⑨急性細菌性赤痢 ⑩便秘 ⑪下痢 ⑫麻痺性イレウスⅥ.神経、筋、骨疾患①頭痛 ②片頭痛 ③三叉神経痛 ④顔面神経麻痺(初期、3~6か月以内のもの)⑤脳卒中後の不全麻痺 ⑥末梢神経障害 ⑦急性灰白髄炎の後遺症(初期、3~6か月以内のもの)⑧メニエール病 ⑨神経因性膀胱 ⑩夜尿症 ⑪肋間神経痛 ⑫頸腕症候群 ⑬五十肩 ⑭テニス肘 ⑮坐骨神経痛 ⑯腰痛 ⑰変形性関節症医師の同意書があれば保険が適応される疾患は・神経痛…Ⅵ③⑪⑮・リウマチ…急性、慢性で各関節が腫れて痛むもの。・腰痛症 …Ⅵ⑯・五十肩…Ⅵ⑬・頸腕症候群…Ⅵ⑫・頸椎捻挫後遺症…むち打ちなど。(注:当院は保険の取り扱いをしておりません)赤痢やイレウスなどは、急いで病院へ行ってください!!という症状ですが、急性灰白髄炎(小児麻痺・ポリオ)や顔面神経麻痺などは、筋肉の萎縮が始まる前に治療を始めると、回復にかなりの効果が期待できます。呼吸器系の疾患や風邪などは、鍼灸により体質改善を行うと予防にもなります。胃の痛みや咳は、小川が学生時代、よく治療してもらっていた症状です。運動器系の症状を鍼灸治療で治す話はよく聞かれるかと思いますが、鍼灸治療は自律神経に働きかけることができるので、消化器系の症状にもよく効きます。また、米国国立衛生研究所(NIH)が1998年に出した合意声明書では、多くの研究データの質が十分でないため明確な結論は導けないとしながらも、鍼の有効性に関して次のように記述しています。○有望である。・成人の術後の、あるいは薬物療法時の吐き気や嘔吐・妊娠時の悪阻   ・歯科の術後痛○補助療法として有用、あるいは包括的患者管理計画に含める可能性がある・薬物中毒・脳卒中後のリハビリテーション・頭痛・月経痛・テニス肘・線維性筋痛症・筋筋膜痛・変形性関節症・腰痛・手根管症候群・喘息これらが発表されてからかなりの年月が過ぎ、様々な臨床を経て、科学的にもっと説得力のあるデータや資料が出てきています。全部挙げると切りがありませんので、代表的なものを上げてみました。鍼治療を受けられる際の参考になれば、と思います。

はりきゅうアロマのおがわ.2015年4月~12月

『小児はりでみんな笑顔に!札幌市西区はりきゅうアロマのおがわ.』 開業前の2015年4月から、Webサイトへブログを移行する2015年12月までのブログを保存しました。 記事が新しく更新されることはないかと思います。 Webサイトのブログ、またはアメブロをご覧ください。

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